「工場街」から「暮らしやすい街」へ、3代にわたり皆実町に根差す病院理事長の街への想い/真田病院 真田理事長

お話を伺った真田光博理事長
お話を伺った真田光博理事長

広島市南区皆実町で77年にわたり地域医療に携わり続けている真田病院。今回は同院の三代目、真田光博理事長に、皆実町の「街の魅力」「歴史」「住み心地」、そして「地域との関わり」について、お話を伺いました。

皆実町の歴史と変遷:工場街から生活の拠点へ

――真田病院は、おじい様の代にこの皆実町で開業されたそうですね。皆実町の歴史について、先生ご自身の目から見た街の移り変わりをお聞かせいただけますか?

真田理事長:はい、私の祖父の代、1948(昭和23)年頃からこの場所で診療を続けています。私が生まれた昭和40年代頃の皆実町は、今とはずいぶん異なる景色でしたね。病院の目の前には専売公社(現・日本たばこ産業)の広島工場があり、その隣は広大なグラウンドのようでした。広島ガスやの味日本の工場も近くにあり、いわゆる工場が立ち並ぶ下町のような雰囲気でした。川沿いのエリアは人影もまばらで、今では考えられないほど静かだったんですよ。私が子どもの頃は公園も少なかったので、この辺りでよく遊んでいましたね。

真田光博理事長(前列右)と真田病院のみなさま
真田光博理事長(前列右)と真田病院のみなさま

――その後、街の景色はどのように変化していったのでしょうか?

真田理事長:大きな変化としては、御幸橋方面からの電車通りに、現在のような大きな道路ができたことです。当時は家々が立ち並んでいて、道路は後から整備されました。そして、街の様相を一変させたのは、やはりゆめタウンの開業でしょう。

ゆめタウン広島
ゆめタウン広島

真田理事長:この辺りは広電の皆実町6丁目電停から北東に一直線にのびる「皆実町中通商店街」があって、文房具屋さんや靴屋さんなど、たくさんの小売店が軒を連ねて賑わっていました。また、以前は広島大学もこの近くにあったため、学生さんの下宿も多く、商店街は活気に満ちていましたね。広大の移転とゆめタウンの開業(2008年)が、皆実町を現在の姿に近づけていったと言えます。商店街の店はほとんどなくなってしまいましたが、昔は銭湯もあり、私も子どもの頃はそこでよく遊びました。

街の魅力:温かい人情と利便性

――長年この地で暮らしてこられて、皆実町の「人柄」や「土地柄」をどのように感じていらっしゃいますか?

真田理事長:皆実町は温かい雰囲気の街だと感じています。広島の南に位置し、海にも近い。その穏やかな気候と相まって、住民の方々も人情味があって温かい方が多いですね。

――街の魅力として、他にどのような点が挙げられますか?

真田理事長:やはり利便性の高さは大きな魅力です。大型ショッピングモールのゆめタウンがありますし、交通の便も良いです。広島電鉄の駅が近くにあり、バス路線も充実しているので、市内中心部へもスムーズにアクセスできます。自転車でも十分行けますしね。買い物や生活のほとんどがこのエリアで完結するため、非常に暮らしやすいと感じています。路面電車が通っているのも、昔ながらの広島の風景を残しているようで良いですね。

※ 個人の感想であり、自然環境を保証するものではありません。

広島電鉄の電車の走る街の様子
広島電鉄の電車の走る街の様子

住み心地:安心とゆとりのある暮らし

――暮らす上で、皆実町の住み心地はいかがでしょうか?

真田理事長:非常に住みやすいですよ。治安に関して不安を感じることは全くありませんし、救急車やパトカーの音が頻繁に聞こえるようなこともありません。とても穏やかな地域だと思います。住民層としては、昔ながらの一軒家が多く、高齢の方やそのご家族が住み続けているケースが多い印象です。新しい建物も増えてはいますが、全体的には昔からの住民が多いですね。

※ 個人の感想であり、自然環境を保証するものではありません。

――広島駅の駅ビルが新しくなったり、中心部も再開発が進んでいますね。皆実町周辺のエリアの今後について期待することはありますか?

真田理事長:広島駅が生まれ変わったことで、他県からのお客様が増え、直接皆実町に来ていただける機会も増えるのではないかと期待しています。広島港までも電車やバスでアクセスできるため、観光客の方にもこのエリアに立ち寄っていただけるかもしれません。四国方面へのアクセスも良いので、実家がそちらにある方にとっても非常に便利な立地だと思います。 また、川沿いの桜並木はとてもきれいで、散歩やウォーキングにも適しています。日常の中にゆとりを感じられる場所があるのも、この街の魅力ですね。

2025(令和7)年8月に新たに生まれ変わった広島電鉄「広島」駅
2025(令和7)年8月に新たに生まれ変わった広島電鉄「広島」駅

地域との関わり:三世代にわたる信頼と連携

――最後に、病院と地域の関わりについてお伺いします。今後、地域とどのように関わっていきたいとお考えでしょうか?

真田理事長:当院は祖父の代から長くこの皆実町で診療を続けており、地域の皆様の健康を支え、共に歩んできたという自負があります。患者様の世代も、お祖母様からお母様へ、そしてお子さんへと、代々引き継がれており、まさに地域の歴史と共に歩んできたと言えるでしょう。これからもこの長いお付き合いを大切にし、安心した医療を提供し続けたいと願っています。

陽の光が差し込む明るい院内
陽の光が差し込む明るい院内

真田理事長:高齢の患者様に対しては、必要に応じて、ご自宅への訪問診療も行っています。ご自宅での療養が難しくなれば入院していただき、医療を提供します。症状が落ち着けばご自宅に戻っていただくなど、ご家族の状況に応じて柔軟に対応しています。また、医療は必要ないけれど介護が必要な方には、介護施設のご紹介なども行い、地域の医療・介護機関との連携も密に行っています。何かあった際には、広島大学病院などの大きな病院へのご紹介もスムーズに行える体制を整えており、地域の皆様に安心して生活していただけるよう努めています。

広島大学病院
広島大学病院

真田理事長:当院では、一般的な内科のほか、外科、整形外科診療に加え、産婦人科も併設しており、女性のライフステージ全般にわたる健康をサポートしています。子宮がん検診に加え、近年増加している乳がん検診にも力を入れており、早期発見・早期治療に貢献したいと考えています。女性にとって、子宮がんと乳がんの検診を同じ場所で受けられるのは大きなメリットだと感じています。地域の女性の皆様が、安心して長く暮らせるよう、微力ながらサポートさせていただきたいと考えています。

MRIなど充実の医療体制を誇る
MRIなど充実の医療体制を誇る

お話を伺った真田光博理事長
お話を伺った真田光博理事長

医療法人 慈徳会 真田病院

真田光博 理事長
所在地:広島県広島市南区皆実町3-13-21
休診日:木・土曜日の午後、日曜日、祝日
診療時間:9:00~12:45、15:00~18:00
電話番号:082-251-1025
URL:http://www.sanada-hp.com/
※この情報は2025(令和7)年8月時点のものです。