皆実町とともに歩んで63年、二代目院長が「広島市で一番住みやすい街」と語る理由とは?/堂面医院 堂面院長

お話しをうかがった堂面政俊先生
お話しをうかがった堂面政俊先生

皆実町で生まれ育ち、父の代から63年にわたり地域医療を担ってきた堂面医院の二代目院長、堂面政俊先生。

皆実町の「生き字引」ともいえる堂面院長に、昔の光景から子育て支援、そしてこれからの皆実町についてお話を伺いました。

かつての皆実町のにぎわいと街の変貌

――昔の皆実町はどのような光景でしたか?思い出があれば教えてください。

堂面院長:昔の皆実町は、電車通りは商店や病院がまるで銀座のように賑わっていたんですよ。

千田町に広島大学があったこと、それから専売公社(日本たばこ産業(JT)広島工場)にたくさんの従業員の方がいらっしゃったこともあって、本当に多くの人が行き交っていました。下宿屋も多かったし、学生さんもたくさんいましたね。病院も外科、産婦人科、内科と軒を連ねていました。

私が子どもの頃は、商店街も活気にあふれていました。魚屋さん、肉屋さん、パン屋さん、天ぷら屋さん、お惣菜屋さん……色んなお店が並んでいて、子ども心に商店街を横断できないほど人通りが多かったのを覚えています。今の閑静な住宅地になっているところも、信じられないかもしれませんが、当時はものすごい賑わいでした。

――昔の賑わいから街の雰囲気はどのように変化しましたか?

堂面院長:大学の移転、そしてJT広島工場の閉鎖が、街の雰囲気を大きく変えていきました。地元の商店街も頑張ったんですが、若い世代はJTの跡にできたゆめタウンを利用するようになって、商店主も高齢化が進んでしまってね。自然と街の姿は変わっていきました。

それでも、私の心には昔の皆実町の光景が鮮明に焼き付いています。子どもの頃は、車も少なかったから、今の電車通りでも自由に遊べましたね。二号線を超えて比治山まで自転車で遊びに行ったり、このあたりは蓮田が多かったので泥だらけで遊んだり。今でもあの頃の賑わいや、友達と遊んだ思い出は、私の大切な原風景です。

少年時代の堂面先生も泥だらけになって遊んでいたという比治山公園
少年時代の堂面先生も泥だらけになって遊んでいたという比治山公園

先生自身が「広島市で一番住みやすい街」と感じる皆実町、その理由とは?

――皆実町の暮らしやすさ、住みやすさについて教えてください。「広島市で一番住みやすい街」と断言されていましたが、その理由は何でしょうか?

堂面院長:皆実町を一言で表すなら、「広島市で一番住みやすい街」だと断言できます。妻は他県出身ですが、私の転勤により広島県内や広島市内を色々住んできましたが、やはり皆実町が一番住みやすいと話しています。

その理由として、まず強調したいのは治安の良さです。夜道で後をつけられたり、ひったくりにあったりといった心配はほとんどありません。防犯意識が高い住民が多いんです。特に町内会がしっかりしており、昔からの住民が多い地域では、知らない人が歩いているとすぐに気づくため、不審者が入り込みにくい環境だと言えます。近所付き合いもあって、安心して暮らせる、治安の良い街だと胸を張って言えますね。

※ 個人の感想であり、広島市で一番住みやすい街であることや治安の良さを保証するものではありません。

交通の利便性と恵まれた自然環境が魅力の皆実町

――交通の便や自然環境はいかがですか?

堂面院長:交通の便の良さも特筆すべき点です。中区と比べて駐車場の料金が安いですし、電車一本で駅まで行ける利便性の良さも大きい。紙屋町や八丁堀といった中心部へも、タクシーを使っても中区舟入などよりも皆実町からの方が安く行けるなど、交通の便は非常に良いです。自転車で中心部へ行ける距離ですし、ウォーキングがてら歩いて行く人も多いですよ。

広島市街地(紙屋町や八丁堀)の街並み
広島市街地(紙屋町や八丁堀)の街並み

堂面院長:自然環境にも恵まれています。比治山や京橋川沿いの散歩コースなど、緑豊かで景色の良い場所が多いんです。春には京橋川岸に桜やハナミズキが咲き誇り、四季を感じながらウォーキングが楽しめます。昔ほど泥だらけになる場所は少ないですが、近くに公園も点在しているので子どもたちの遊び場にも困りません。

※ 個人の感想であり、交通の利便性と恵まれた自然環境を保証するものではありません。

――かつては京橋川で釣りができると伺いましたが、本当ですか?

堂面院長:ええ、本当ですよ。実は、京橋川ではハゼ釣りができるんです。あまりみんなやらないから穴場スポットになっていますが、チヌも釣れます。川のチヌは食べれませんが釣れた時の引きが強いので釣りが楽しいです。ハゼは臭みがないので天ぷらは絶品です。御幸橋と平野橋の間の川べりは水辺に降りられるようになっているので、釣り好きの方にはたまらない情報かもしれませんね。

子育てに不安を抱く人が増える中、地域に根差した子育て支援と病児保育でサポート

――小児科医として、今の子育て世代、特にママさんパパさんを見ていて感じることはありますか?

堂面院長:核家族化が進んで、祖父母と同居していない家庭も増えているので、子育てに不安を抱いている人が多いと感じています。特に初めての子どもを持つ親御さんは、インターネットの情報に振り回されてしまっている印象です。

「なんとかなるよ」と声をかけても、初めての出産で祖父母の協力も得られない状況だと、そんな言葉も響きにくいんですよね。

待合室にはキッズスペースも完備
待合室にはキッズスペースも完備

――貴院の子育て支援について教えてください。特に病児保育にはどのような思いがありますか?

堂面院長:当院の2階で病児保育を行っているのは、「子育てのサポートをしたい」という強い思いがあるからなんです。子どもが熱を出した際に「また熱出したから仕事休まないといけない」という親の気持ちを子どもが察してしまうのがかわいそうなのでね。

実のところ、親御さんのためというよりは、子どもたちのために病児保育を始めたんです。病児保育は十数年前から開設していて、広島市内でも利用者数が2番目か3番目に多いと思います。近隣の勤め先の方々の保護者も利用されています。

2階では病児保育に対応している
2階では病児保育に対応している

堂面院長:病児保育にはベテランの保育士さんがいるため、子育てに関する困りごとを気軽に相談できる場にもなっています。診察室で医師には聞きにくいことも、保育士には話せるので、上手に利用してほしいですね。

急な発熱などがあった際に、駆け込み寺のように預けられる場所があることは、働く親にとって大きな支えとなるのではないでしょうか。

「三世代、四世代を診つづける診療所」を目指して

――皆実町の地域医療における先生の役割について教えてください。

堂面院長:皆実町に根差した総合診療所として、私は「三世代、四世代を診つづける診療所」であることを重視しています。新生児からご高齢の方まで、特別な専門分野に特化するのではなく、本当にかかりつけ医として何でも相談してもらえるような存在でありたいと考えています。

2019(令和元)年に移転した堂面医院の院内
2019(令和元)年に移転した堂面医院の院内

堂面院長:何か気になることがあれば、県立広島病院や大学病院、日赤病院と連携がしっかり取れているため、すぐに紹介できる体制です。患者さんとの信頼関係が成り立っているため、私が「やった方がいい」と勧める検査や治療には、かかりつけの患者さんは素直に応じてくれますね。

県立広島病院
県立広島病院

在宅医療への取り組み

――在宅医療にも力を入れているとのことですが、その背景と目的は何でしょうか?

堂面院長:はい、かかりつけの患者さんが高齢になり、通院が困難になった場合は在宅医療を行っています。住み慣れたご自宅で安心して療養生活を送れるよう、定期的な訪問診療や健康管理を行っています。最期まで患者さんとご家族に寄り添い、その人らしい生き方を支える医療を提供することも、地域医療を担う私たちの重要な役割だと考えています。

「この街に生まれ育ったことを誇りに思える」そんな皆実町で心豊かな暮らしを

――これから皆実町に住むことを考えている方々へメッセージをお願いします。

堂面院長:皆実町に悪い面がない、と私は断言できます。かつてのような大規模な水害も太田川放水路のお陰でなくなり、安心して暮らせるようになりました。宇品のように急激な人口流入で状況が変化する街とは異なり、皆実町は安定した状態を保っています。

近年は高齢化も進んでいますが、新しいマンションが建設され、若い世代や子育て世代が戻ってくる動きも見られます。かつての人口密集地だった頃とは異なり、今は「ちょうど良いバランスの街」だと表現できますね。

この皆実町で、地域の皆様の健康を支え、安心して暮らせる街づくりに貢献していきたい。この街で生まれ育ち、この街で医療に携わることができたことを誇りに思い、これからも地域の皆様と共に歩んでいきたいと願っています。ぜひ、皆実町での生活を検討してみてください。

※ 個人の感想であり、自然環境を保証するものではありません。

お話をうかがった堂面政俊先生
お話をうかがった堂面政俊先生

堂面医院

堂面政俊 院長
所在地:広島県広島市南区皆実町2-8-4
休診日:水・土曜日の午後、日曜日、祝日
診療時間:9:00~12:00、15:00~18:00 ※受け付けは10分前まで
電話番号:082-251-1510
※この情報は2025(令和7)年8月時点のものです。