三原市立南小学校 池田校長先生 インタビュー

街の防災拠点にもなる、充実の設備が整った小学校「三原市立南小学校」

広島県三原市といえばJR「三原」駅で新幹線を降りれば、四国への玄関口三原港、そして広島空港がある陸・海・空の高速交通の連結都市である。また、瀬戸内海国立公園に組み入れられる筆影山や竜王山からは瀬戸内の島々の絶景が眺められる海と山の自然に恵まれたエリアでもある。全国の小学校の学力レベルでは、常に上位には入るという教育熱心な広島県においても、その平均値よりも高い学力であるという「三原市立南小学校」。2014(平成26)年に移転新築された新校舎は全国的にも指折りの充実した施設であり、また様々なユニークな教育を取り入れている。そんな「三原市立南小学校」について池田彰夫校長先生にお話をうかがった。

全面芝生のグラウンドで遊ぶ子どもたち
全面芝生のグラウンドで遊ぶ子どもたち

――校舎に関しては設備面でかなり充実しているとお話をうかがっておりますが、その点についてお教えいただけますでしょうか?

池田校長先生:「三原市立南小学校」は1952(昭和27)年に創立して、現在は全校生徒が578名、校舎は2014(平成26)年4月に移転新築して現在に至っています。それまでは「三原市立第三中学校」と同じ敷地にあり、グラウンドを共用しておりました。グラウンド共用の不都合などが長年の教育課題になっておりましたので、小学校として完全に独立した施設にするために移転をしたという経緯があります。

設備に関しましては、全面芝生のグラウンド、屋上のプール、茶道や華道に活かせる畳敷きの「多目的教室」の設置、広い廊下やトイレのバリアフリー設計、4階建ての体育館は3・4階を学校の体育館として、1・2階を市の武道館として使い分けています。また学校は、防災拠点としての機能も合わせもった設計で、先般の豪雨災害においても、すでにその機能を発揮しています。例えば体育館には防災倉庫が完備され、中庭には災害時に下水道と直結させて使用するマンホールトイレが19基完備されています。

畳敷きの多目的教室
畳敷きの多目的教室

――学校施設だけでなく、街に必要とされるものをすべて兼ね備えた最新設計ですね。それでは学校のある円一(えんいち)地区の魅力についてお教えください

池田校長先生:南小学校の校区は三原市街の中心地で、「三原」駅からも近く交通の便のいいところです。市役所はすぐ隣にあり、中央公民館や様々な文化施設も集中した文教地域的な意味合いもあるエリアです。また救急外来やヘリポートまで備えた「興生総合病院」もすぐそばにあり、大型のショッピングモールである「三原フジグラン」など、ショッピング施設も充実していますので、衣食住がそろう非常に便利なエリアだと言えると思います。

市街地はほとんどが平地で徒歩や自転車での移動が楽というのも生活の利便性としてはいいところだと思います。目の前に三原港があり、南側には瀬戸内海国立公園にも指定されている筆影山や竜王山もありますので、海あり山ありの自然にも恵まれた、環境面ではいうことのない場所だと思っています。

多くの学びの機会を通じて過ごせる6年間

地域の防災拠点にもなっている
地域の防災拠点にもなっている

――教育活動で特に力を入れて取り組んでいることについてお教えください

池田校長先生:南小学校独自の取り組みはたくさんあります。まずは学校目標ですが「地域と協働し、深い学びを求めて、磨き合う児童の育成」としています。主体的に深い学びを行い、学びから得た知識の活用をする。知識を活用するにあたって積極的に人との触れ合いをする。例えば子ども同士、経験ある人との関わりなど、学校という枠だけで捉われる教育ではないということです。

学校の校庭に敷き詰められている芝生が本校の施設の特徴のひとつでもありますが、この芝生の校庭で思いっきり裸足で遊ぶ「みなみんタイム」という時間を設けています。校庭に芝生が敷き詰めてある学校は珍しいと思いますが、この芝生は地域の方々、保護者の方たちにも協力してもらって植えました。メンテナンスも必要になりますが、それも地域の方々に協力していただいています。そうした学校と地域の連携を行う「地域支援本部」も設けています。「みなみん」というマスコットキャラクターも子どもたちが考えました。今ではLINEスタンプにもなっています。

子どもたちが考案したマスコットキャラクター「みなみん」
子どもたちが考案したマスコットキャラクター「みなみん」

また、芝生があることを活かして「タグラグビー」を体育に取り入れています。これはラグビーの入門のようなスポーツですが、小学生がタックルをするのは危険ですので、腰にタグという布を付けて、このタグを取ることでタックルとみなしてボールをリリースするというものです。またこれも芝生があることで行える活動のひとつですが、地域協働の一環で5・6年生が地域の方々に「グラウンドゴルフ」を教えていただいたりもしています。

打楽器の練習風景
打楽器の練習風景

――吹奏楽の活動についてもお教えください

池田校長先生:吹奏楽はクラブ活動で4年から取り組めるようになっているのですが、6年生になると全員で器楽合奏に取り組んで曲を完成させて、市民音楽祭に出場します。小学生がトランペットやトロンボーンなどを吹いている姿は珍しいと思いますが、本校には楽器庫があり、通常の小学校にはない楽器も充実しています。

――子どもやっさへの参加なども積極的に取り組んでおられるようですね

池田校長先生:三原の伝統芸能である「やっさ踊り」の大会があり、子ども部門の「子どもやっさ」では2015年と2016年に南小学校が大賞を獲っています。子どもたちが地元の伝統芸能を学び、練習して踊る、これが牽いてはふるさとへの誇りや郷土愛にもつながると考えています。昨年は成人式に呼ばれて新成人の前でやっさ踊りを披露しました。

学校の枠に捉われない。地域で育む教育方針

校長の池田先生
校長の池田先生

――地域と協力しながら行っている取り組みなどはありますでしょうか

池田校長先生:先程のお話のなかで出てきました「南小学校地域支援本部」の取り組みの4つの柱が「Welcome・ようこそ」「Watch・見守り」「Green・みどり」「Learning・学び」で地域協働の基本となっています。最後の「Learning・学び」はクラブ活動の講師やゲストティーチャーに関してのことを指しているのですが、これは南小学校が最も積極的に行っている取り組みのひとつです。先程のお話で出ましたグラウンドゴルフを教わっていることも含めて、子どもが教わることは学校の先生からだけではないというふうに考えています。クラブ活動では、生け花、お茶、イラスト、手芸、バドミントン、ダンスなど、小学校としてはユニークなものがたくさんありますが、それらは外部から先生をお招きして子どもたちに教えていただいています。

また一芸に秀でたゲストをお招きして、例えば紙飛行機の日本一の方をゲストとして来ていただいたこともあるのですが、継続的なものとスポット的なものと両方を取り入れて、学校以外の方からの学びの場を多く持つように心がけています。こういったことは、子どもたちにより多くの知識を得られるようにするためでもありますが、地域と共に、またそれをサポートしてくれる人との繋がりで実現できているんだよ、ということを教えるためでもあるのです。

4階建ての体育館
4階建ての体育館

校長先生に教えてね! 校外活動も積極的に評価します!

――校長室にも廊下にもたくさんの校長先生と子どもたちの写真が貼られていますが、これはなんでしょうか?

池田校長先生:これは「ようこそ校長室へ」というものです。学校の中でがんばっていることなら校長先生は知っているよ。でも学校の外で、例えば放課後や休みの日に学校以外で習っていることや活動していることは分からないよ。だから、がんばって大会で優勝したよ、コンクールで賞状をもらったよ…と誉めてもらうことがあったら、校長先生に報告に来てね。そして、よくがんばったね!と評価してあげようというシステムなんです。これも学ぶのは学校だけでないということを積極的に発信して、同時に評価もしてあげようという取り組みです。

校長先生と子どもたちの写真
校長先生と子どもたちの写真

――三原の街の魅力や、子育て環境についてお教えください

池田校長先生:私立の幼稚園が多く、それぞれ特徴のある教育方針を持っておられますので、もともと教育熱心な保護者の方たちが多いのかなという印象です。また広島県は小学校の学力レベルが全国平均以上で常に上位に入ります。その広島県の中において南小学校は、特に国語や算数においては、広島県の平均値より学力が高いのです。

そうした事情と教育環境や力を伸ばせる豊富な経験ができるという理由で、全校児童の一割は校区外から南小学校に通わせたいと来る子どもたちなのです。そういう意味で南小学校は選ばれる学校といえます。また本校の子どもたちの多くが通うことになる「第三中学校」も昨年校舎が新築されていますので、このエリアの子どもたちは良い環境で教育を受けられるということになりますね。

学校の周りに広がる三原の街
学校の周りに広がる三原の街

――南小学校の子どもたちの中学受験に関してはどうでしょうか

池田校長先生:中学受験をするということは、自分の夢や希望に向けて挑戦することでもあり、ひとつの選択肢として素晴らしいことだと考えております。そういうなかで、中学校から寄せられる情報は本校からも子どもたち、保護者の方々にも積極的に発信しております。

三原市内にも「如水館」という中高一貫校があり、「広島大学附属」の中学校もあります。福山方面にも私立中学校が多く、尾道方面には「尾道中学」、東広島に行くと「県立中学校」や「近畿大学」の中学校・高校もあります。ここは駅が近く交通の便がいいので、私立を目指す人にとっては、実はとってもいい場所なんですよ。それぞれの学校は学業以外でもラグビー・演劇・チアリーディングなどが盛んといった特色がありますし、空手がやりたいということで本校から近大の附属中学に進んだ子どももいます。

屋上のプール
屋上のプール

――三原に住むことを考えておられる方にメッセージをお願いします

池田校長先生:自然の環境、衣食住という住む環境においても充実して、気候も「晴れの国」といわれる岡山県にも負けない良い環境です。温暖な瀬戸内気候の過ごしやすさというものが、よく感じられる土地柄です。教育施設も充実している三原市で元気いっぱい子どもたちを育て、街を盛り上げていきましょう。

子どもと語らう校長先生
子どもと語らう校長先生

三原市立南小学校
三原市立南小学校

三原市立南小学校

校長 池田彰夫 先生
所在地:広島県三原市円一町2-7-2
電話番号:0848-63-3181
URL:http://www.city.mihara.hiroshima.jp/site/es-minami/
※この情報は2018(平成30)年10月時点のものです。